屋外用監視カメラ選びでチェックすべき9つのポイント!具体的な設置事例も紹介

屋外に監視カメラを設置する際には、カメラの種類や台数、接続方法など検討すべきポイントが多く存在します。安易に決定すれば、工事費用が想定以上にかかったり、工事が終わったあとに死角を発見したりといった不具合が起きる可能性は高いでしょう。

本記事では、屋外用監視カメラを選ぶ際にチェックすべき9つのポイントに加え、店舗・公園・空港・倉庫などでの実際の設置事例を紹介します。屋外用監視カメラの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

屋外用監視カメラ選びでチェックすべき9つのポイント

屋外用監視カメラを選ぶなら、以下9つのポイントに着目しましょう。

  • 設置台数
  • カメラの種類
  • 電源タイプ(有線/バッテリー/ソーラー)
  • 接続方式(有線/ワイヤレス(Wi-Fi))
  • 防塵・防水機能
  • 対応温度
  • 録音機能
  • データ保存方式
  • 動体検知センサー

ここでは、それぞれの選び方を順番に解説します。

なお屋外に監視カメラを設置する際、カメラ本体以外に注意したいのが電源の確保です。すべての監視カメラに対して個別の電源を用意すれば、工事費用は膨れ上がるでしょう。

PoE(Power over Ethernet)対応のスイッチングハブを活用することで、ネットワークケーブル経由での給電が可能となります。PoE対応機器の選び方についても、カメラ選びのポイントと併せて解説します。

◇設置台数

監視カメラを設置するには、まず監視したいエリアを何台のカメラでカバーするのかを決めましょう。

1台でカバーする場合は、視野を確保するため広角カメラを選ぶべきです。死角ができてしまっては監視カメラを設置する意味がないため、できるだけ画角を広くとれる位置に設置しましょう。

一方、敷地が広く複数台での監視が必要な場合は、広範囲を監視する定点カメラと指定箇所を鮮明に記録する可動式のカメラを組み合わせるのが効果的です。広範囲を撮影することで死角をなくしつつ、可動式カメラで動きがあった箇所を拡大して撮影します。

複数のカメラを設置することで、防犯効果も高まるでしょう。予算に余裕がない場合は、ダミーカメラを混ぜるのも効果的です。

カメラの設置台数が決まったら、電源や通信を接続するPoEスイッチングハブも併せて手配しましょう。カメラの設置台数分の接続が可能なモデルを選べば、効率よく監視カメラを設置できます。

◇カメラの種類

監視カメラの種類は、大きく分けてボックス型、ドーム型、PTZ型の3つがあります。

カメラの種類仕様・用途
ボックス型店舗などによく見られる、天井や柱、壁に設置できる箱型のカメラ。目立つため、防犯効果が高い。似たタイプに、ハウジングとブラケットが一体になったバレット型がある。
ドーム型 ビルやマンションなどの屋内に設置されることが多い、丸いカプセル型のカメラ。景観を損なわない点、死角がわかりづらい点などがメリット。
PTZ型 水平・垂直方向への首振りとズームが可能なカメラ。遠隔操作によって監視範囲を自由に変えられる点はメリットだが、死角ができやすい点はデメリット。

屋外用の監視カメラとして一般的なのは、柱や壁などに設置しやすいボックス型です。見た目の存在感もあるため、犯罪の抑止効果にも期待できます。

◇電源タイプ(有線/バッテリー/ソーラー)

監視カメラの設置において、注意すべきなのが電源の確保です。電源の接続には有線タイプ、バッテリータイプ、ソーラータイプの3つがあります。

一般的には有線タイプの監視カメラを使うことが多いでしょう。しかし、設置するカメラに対して電源を供給するには配線工事などが必要になります。電源の確保をスムーズに行なうには、PoE対応のスイッチングハブを使うのがおすすめです。

イーサネット(LANケーブルなどに使われる通信規格)でカメラをつなぐ場合は、PoE給電(イーサネットを通じた給電)を使うのが主流です。PoE対応のスイッチングハブを使うことで、通信の接続と電源の確保を同時に行なえるため、電源供給のための配線が不要になります。

◇接続方式(有線/ワイヤレス(Wi-Fi))

監視カメラの通信接続方式は、おもに有線とワイヤレス(Wi-Fi)の2つです。

有線方式は接続が安定しやすいですが、配線のため壁に穴を開けるなど工事が必要になるケースもあります。ただし、有線であればPoE対応スイッチングハブを使うことで電源の手配が不要になるため、総合的に考えれば効率がよいでしょう。イーサネット(LANケーブルなどに使われる通信規格)でカメラをつなぐ場合は、PoE給電を使うのが主流です。

ワイヤレス方式は、配線が不要なため設置しやすいのがメリットです。しかし、有線よりも接続が不安定になりやすい点や、Wi-Fiジャマー(電波妨害装置)によって妨害される可能性がある点などがデメリットとして挙げられます。

◇防塵・防水機能

屋外に監視カメラを設置するなら、雨や砂ぼこり対策として防塵・防水機能が必要になります。

電子機器の保護性能はIP規格という国際的なコードで規定されており、1つ目の数字が防塵性能、2つ目の数字が防水性能を表します。防塵は0~6の7段階、防水は0~8の9段階に分かれており、基本的に数字が大きいほど性能も高くなっています。屋外の監視カメラであればIP66以上が理想でしょう。

機器の保護については、監視カメラだけでなく電源や通信接続の供給元であるPoE機器(スイッチングハブ)にも防塵・防水性能が求められます。

◇対応温度

屋外の監視カメラは、氷点下や40度以上の高温など気温差の激しい環境に置かれるため、対応温度もしっかり確認しておきましょう。機種によっては、搭載している温度センサーによってファンやヒーターを自動で起動するものもあります。

監視カメラを接続するPoE機器(スイッチングハブ)も、同様の温度帯に対応する製品を選びましょう。

◇録音機能

映像だけでなく、不審な物音や話し声を記録したいなら録音機能を備えた監視カメラを選びましょう。音声があることで、撮影時の状況をより正確に把握できます。

スピーカーによって音声を発することが可能なタイプもあります。不審な人物に声をかけることで犯罪を抑止するといった使い方もできるでしょう。

◇データ保存方式

データ保存の方式は、レコーダーやSDカードなど物理的な媒体に保存するタイプと、インターネットを通じてクラウド上に保存するタイプの2つがあります。ネットワーク環境や物理的なスペースに応じて、最適な保存方式を選びましょう。

◇動体検知センサー

監視映像内に動きがあった際に、自動で反応するセンサーがあるかどうかもカメラ選びのポイントになります。動きがあった箇所に自動で焦点を当てるものや、ライトを点灯させて防犯効果を高めるものなど種類はさまざまです。

想定する使用目的に適した監視カメラを選びましょう。

屋外用監視カメラの設置事例

ここでは、実際に屋外用カメラを設置する際の事例を以下4つのパターンで紹介します。

  • 店舗周辺
  • 公園
  • 空港
  • 食品倉庫

監視カメラの設置と併せて、電源をどのように確保するのかもよく検討しましょう。通信を行なうネットワークケーブルから給電できるPoE機器を使えば、電源コードが不要になるため便利です。

◇店舗周辺

店舗周辺を監視するなら、広範囲を監視する広角カメラと入口付近を監視する高画質なカメラの2種類を設置しましょう。

夜間の不審な動きをとらえるため、赤外線などで暗闇のなかでも撮影可能なモデルが理想です。また店舗の防犯目的であれば、ダミーも仕掛けることで犯罪抑止につなげられます。

◇公園

公園に監視カメラを設置すれば、カメラの存在自体が子どもたちを犯罪から守る対策になります。

設置するカメラは公園全体が映るよう広角タイプで、夜間の監視にも対応したカメラを選ぶのがよいでしょう。より詳細な状況を把握できるよう、録音機能も備えているのが理想です。

屋外に対応したPoE機器を併せて設置することで、ネットワークケーブルを介して100mまで給電が可能となるため、設置パターンの選択肢が広がります。

注意点としては、人によっては防犯カメラの設置によってプライバシーが侵害されていると感じることです。周辺住民への背景説明などをしっかりと行ない、カメラ設置の理解を得ましょう。

◇空港

空港はテロの対象になる危険性などもあるため、監視カメラによるセキュリティ強化はきわめて重要です。侵入者が記録できるよう、すべての出入口にカメラを設置しましょう。

俯瞰的な視点を確保しながら、怪しい動きがあった場合は警備員を出動させるなど現場との連携が大切です。

◇食品倉庫

食品倉庫では、冷蔵・冷凍など低温でも問題なく作動するタイプのカメラを選びましょう。出入口付近には必ず定点カメラを設置し、侵入者がいた場合に映像から特定できるようにします。窓を破って侵入される可能性もあるため、窓周辺もカバーできるよう広角カメラを使うのがおすすめです。

監視カメラに電源・通信接続を供給するPoE機器(スイッチングハブ)についても、設置環境に合わせて、防塵・防水、広温度範囲対応のものを選ぶ必要があります。

まとめ

本記事では、屋外に設置する監視カメラを選ぶ9つのポイントと、実際の設置事例を紹介しました。監視カメラ選びでは、設置場所を的確にカバーするため機種や設置台数が重要なのはもちろん、電源や通信接続の手段も検討する必要があります。

屋外で監視カメラを接続するには、スイッチングハブを使うのが便利です。PoE対応のスイッチングハブを使えば、ネットワークケーブルを介して給電するPoE給電が可能になります。監視カメラをイーサネットで接続するならPoE給電が主流です。

屋外への監視カメラ設置に際しては、屋外環境に対応したPoE対応スイッチングハブを使用することで設置工事の自由度が高まります。耐環境用スイッチングハブに興味がある方は、商品ページにてぜひ詳細をご覧ください。

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