IPoEとは?IPoE・PPPoEの違いや注意するポイントを紹介

インターネットの接続方式である「IPoE」は、従来から用いられてきた「PPPoE」と比べて、安定した通信ができます。「PPPoEからIPoEに切り替えたほうが良い」という情報を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

この2つの接続方法は特徴が異なるため、インターネットを快適に使用するにはそれぞれへの理解を深めることが大事です。この記事では、IPoEの特徴やPPPoEとの違い、接続方法を切り替える際に注意すべきポイントを紹介します。

IPoEとは?

IPoEとPPPoE は、どちらもインターネットの接続方式です。それぞれの末尾にある「oE」は「over Ethernet」の略称で、「Ethernet(イーサネット)という通信規格を使用した通信」を意味します。イーサネットとは、パソコンなどの機器を接続するケーブルの規格の一つで、一般的にはLANケーブル(有線LAN)を指すものです。

IPoEとPPPoE、それぞれの特徴を見ていきましょう。

◇IPoEの特徴

PPPoEは従来の接続方式で、「PPP over Ethernet」の略称です。「PPP」は「Point-to-Point Protocol」の略称で、電話回線で通信するためのルールを指します。PPPは過去にダイヤルアップ接続やADSLでも使われていました。

PPPoE方式とは、電話回線で接続していた技術をLANに応用した方式のことです。わかりやすくいえば、電話回線を使った通信技術をあと付けでイーサネットに対応させた方式で、現在でも多くの人が利用しています。この方式は、通信の際にルーターなどの専用機器を介するため「トンネル接続方式」とも呼ばれます。

PPPoE方式で接続する際には、ID・パスワードの入力が必要です。これまでに通信回線やプロバイダーを契約したことがある人のなかには、ID・パスワードを発行された経験がある人も多いかもしれません。これはPPPoE接続のID・パスワードです。これをルーターやパソコンに入力すると、インターネットで情報のやりとりができるようになります。

◇IPv4、IPv6とは?

IPv4とIPv6は、それぞれ「Internet Protocol Version 4」「Internet Protocol Version 6」の略称です。IPとは前述のとおり、インターネットで情報をやりとりするための基本的なルールを指します。IPv4は通信ルール4、IPv6は通信ルール6とイメージすると良いかもしれません。

また、Webサイトの閲覧やWebサービスの利用にはIPアドレスという、各デバイスの住所のようなものが必要です。自分が利用しているパソコンやスマートフォン、WebサイトのサーバーなどにはすべてIPアドレスが割り振られています。

そして、自分が利用しているパソコンなどのデバイスと、Webサイトのサーバーとの間でお互いのIPアドレスを要求することで、Webサイトを閲覧できるようになります。

IPv4は、現在最も利用されているIPの規格です。IPv4のIPアドレスは「0.0.0.0」から「255.255.255.255」まで約43億個あります。数字を見るとたくさんあるように思えますが、インターネットの普及によりIPv4のIPアドレスに枯渇のおそれが出てきました。

そこで作られたのが、次世代規格のIPv6です。IPv6のIPアドレスは「2000:0ab5:0001:0100:0010:1000:0100:0010」のような表記で、個数にすると1兆個の1兆倍以上を割り振れます。上限が非常に大きいため、現状、枯渇の心配がありません。

なお、IPoE方式ではIPv4もサポートする技術「IPv4 over IPv6」により、IPv6・IPv4両方のIPアドレスが利用できます。通常ならPPPoE方式でないと接続できないIPv4のWebサイトへのアクセスが可能になる仕組みです。

一方、PPPoE方式で利用できるIPアドレスは、一般的にIPv4のみです。

IPoEとPPPoEとの違いについて

ここでは、IPoEとPPPoEの違いを見ていきましょう。

◇通信速度

IPoE方式とPPPoE方式の最大通信速度は、次のとおりです。

・IPoE方式・・・最大10Gbps
・PPPoE方式・・・最大1Gbps

これはあくまで最大値であり、IPoE方式で実際に10Gbpsの速度が出るということではありません。実際の通信速度は使用する時間帯・端末などの環境に大きく左右されます。それでも総合的に見るとIPoE方式のほうがPPPoE方式より通信速度の面で優れていると考えてよいでしょう。

PPPoE方式は、網終端装置(PPPoEプロトコル終端装置)を介して接続します。この網終端装置の処理能力には限りがあるため、多くの人が通信回線を利用する夜間帯など、時間帯によっては混雑してしまうことも珍しくありません。一方、IPoE方式は網終端装置を介さず、大容量のゲートウェイルーターを使用するため、速度低下が少ない傾向にあります。

◇データ容量

IPoE方式は、PPPoE方式と比べて現時点での設備が大容量のため、一度により多くのデータの送受信が可能です。ユーザーの使用状況にもよりますが、効率良くデータを送受信でき、混雑の影響を受けにくく通信環境が安定しているという特徴があります。

◇接続方法

従来のPPPoE方式では、ルーターやアダプターなどの専用機器を設置し、ID・パスワードを入力する必要があります。一方、次世代のIPoE方式はとてもシンプルで、ID・パスワードを入力することなく、社内LANと同じ要領で直接ネットワークに接続できます。IPoE方式でID・パスワードが不要なのは、使用する回線で認証を行っているためです。

IPoE接続方式の確認方法について

現在、接続している通信回線がIPoE方式とPPPoEのどちらなのかを調べる方法を紹介します。

なお、IPv4のIPアドレスは「255.255.255.255」、IPv6のIPアドレスは「2000:0ab5:0001:0100:0010:1000:0100:0010」のように表記されています。チェック時の参考にしてみてください。

◇Windows10の場合

Windows10のパソコンを使っている人は、次の手順で調べましょう。

1.スタートメニューで「設定」をクリック
2.「ネットワークとインターネット」→「アダプターのオプションを変更する」をクリック
3.インターネット接続が有効な状態で、右クリックして「状態」を選択
4.PPPoE(IPv4)とIPoE(IPv6)の接続状況が表示される

◇Macの場合

パソコンがMac(Macintosh)の人は、以下の手順で調べてみてください。

1.アップルメニューで「システム環境設定」をクリック
2.「ネットワーク」→「ネットワーク環境」→「自動」をクリック
3.有効な接続をクリック
4.IPv6が表示されたらIPoE方式、表示されない場合はPPPoE方式

IPoE接続で注意するポイント

PPPoE接続からIPoE接続へ切り替える際の注意点を解説します。

◇IPoE方式に対応しているかどうか

IPoE方式の接続にはIPoE対応ルーターと、IPoE方式のIPv6対応の通信回線・プロバイダーとの契約が必要です。IPoE接続に切り替える際は、まず現在使用しているルーター・通信回線・プロバイダーがIPoE方式に対応しているかを確認しましょう。

ルーターに関しては型番を見て、メーカーのホームページで対応状況を調べます。もし非対応なら、ルーターの交換もしくは購入が必要です。通信回線・プロバイダーに関しては、IPv6でもIPoE方式に非対応のところがあるため対応状況を必ず調べておきましょう。

◇一部の機能が利用できない可能性がある

状況によっては、IPoE接続に切り替えたときに特定の通信プロトコルや通信ポート、固定IPが利用できないなどの障害が起こる場合があります。そうすると「ネットワークカメラを外出先から視聴できない」「一部のオンライン対戦ゲームがプレイできない」「VPN接続ができなくなる」などの問題が生じます。

その場合、これまでのPPPoE接続に戻すか、一部のプロバイダーがオプションで提供しているIPv4の固定IPを利用することで問題の解決が可能です。ネットワークカメラなどを利用している人は、IPoE接続に切り替える際、こうした注意点を踏まえて導入を検討しましょう。

まとめ

IPoEとPPPoEは、通信における接続方式です。IPoE方式は次世代型、PPPoE方式は従来型で、IPoE方式のほうが最大通信速度・データ容量の面で優れており、通信環境が安定しています。

また、PPPoE方式が一般的にIPv4のみの対応に留まるのに対し、IPoE方式はIPv4とIPv6の両方に対応しています。現在の通信環境に不満があるなら、IPoE接続への切り替えを検討してみても良いかもしれません。

「令和2年度第3次補正 事業再構築補助金により作成」