回線終端装置とモデムやルーターとの違い

回線終端装置とモデムとルーターは、端末をインターネット回線につなぎ正常に作動するようにする機器ですが、厳密には別の機器です。
この違いは、しばし混同して覚えてしまうことも多いので、詳しく紹介していきます。

モデム回線終端装置(ONU・DSU)の役割

インターネット回線には、「ADSL」「ISDN」「光」などの回線がありますが、それぞれの信号をパソコンなどの機器に使えるデジタル信号に変換する必要があります。
この際に必要なのがモデムや回線終端装置といったものです。

モデムは、アナログ信号とデジタル信号の相互変換して端末を作動させる役目をします。コンピュータなどの機器と通信回線の間で信号の相互変換を行って通信を仲介する機器全般をモデムということもあります。
ISDN回線の場合TA(ターミナルアダプター)が必要になりますが、現在では一体化している機器が多いです。

ISDNは、アナログ回線と比べて、電話機なら1回線で2台使用でき、同時に受信・発信が可能なため、ノイズの影響を受けにくいのでクリアに音声が聞こえます。
また、デジタル機器を最大8台設置でき、ビジネスの現場で重宝されています。
ISDN回線の場合にモデムに相当する機器として回線終端装置DSUが必要になります。

一方、光回線の場合は光の信号をデジタル信号に変換するための回線終端装置のことをONUと呼びます。

モデムと回線終端装置(ONU)は別物ですが、機能としては同じ役割を持っています。

ルーターの役割

データの流れの交通整理をするのがルーターです。
ルーターは、モデムや回線終端装置で変換された信号を、1つの回線でも複数の端末で使用できるよう、ネットワークのルーティング(枝分かれ)を行うためのものです。
現在では差し込み口も分ける、ハブ機能も持ったルーターが一般的です。
ルーターにつなぐことにより何台ものパソコンが同時にインターネットに接続できるようにするわけです。

最近ルーターには、無線と有線がありますが、セキュリティーや効率性を考えて選ばなければなりません。無線LAN機能を備えたものをWiFiルーターと呼びますが、家庭用のルーターは殆どこのタイプでしょう。パソコン、スマートホン、ゲーム機など多くの機器がWiFiルーターを利用しています。
WiFiルーターにはADSL回線や光回線にLANケーブルで接続するもののほか、3G・LTE/WiMAXといった携帯電話網に接続するモバイルルーターも多くなっている。

まとめ

回線終端装置とモデムはそれぞれ、ADSL環境で使用するのがモデム、光回線で使うのが回線終端装置ONU、ISDNで使うのが回線終端装置DSUです。
ルーターは複数のパソコンなどの端末を同時に使えるようにする機器です。

モデム・ONU・DSUは、ルーターと一体化された場合もありますが、インターネットアクセス回線の違いにより使い分けているのです。

どのインターネットアクセス回線を選ぶかは自由ですが、回線の速度や特徴、それぞれにメリット・デメリットがあります。
大勢の従業員のいる職場において複数の電話やFAX、パソコンなどを使用するのか、個人で使用するのかといった環境や、予算の面でも変わってくるため、使用条件を良く考えてから導入しましょう。

回線終端装置