ONU直下のHUBはコンプライアンス違反?知らずに違法利用しているケースとは 【コンプライアンス編】
「ちょっとHUBを挟んで回線を分ければ便利だろう」――そう考えてONU直下に市販HUBを設置している企業は意外と多いです。
しかし実はこの行為、電気通信事業法違反の可能性があり、重大なコンプライアンスリスクを抱えています。
本記事では、「ONU直下のHUBはなぜ違法になるのか」、また「現場でよくある違反事例」と「取るべき対策」を解説します。
なぜコンプライアンス違反になるのか?
- 根拠法:電気通信事業法 第69条
→ 通信事業者の回線とユーザー設備の境界に置く機器は「技術基準適合認定」を受けた機器でなければならない。 - 市販HUBは認定外がほとんど
→ 安価に流通している一般的なHUBはJATE認定を受けていないため、ONU直下に置くと法的にアウト。 - 分界点の責任が不明確になる
→ 障害が発生した際、回線業者と利用者のどちらに責任があるのかを切り分けできなくなる。

現場でありがちな違反構成
ケース1:PBX設置現場
- ONU直下に市販HUBを接続
- そこからPBX主装置とルータを分岐
- → IPv6が通らず資格確認端末が通信不可
ケース2:中小オフィス
- コスト削減のため市販HUBで電話とインターネットを分岐
- → 音声が途切れる、FAXが送れないトラブル発生
ケース3:UTMの直収
- セキュリティ強化で市販UTMをONU直下に設置
- → 認定外機器のため法的に違反状態
👉 「知らないうちに違反していた」 というパターンが非常に多いのが特徴です。
違反状態が招くリスク
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- 監査での指摘
- 医療機関・金融機関などではコンプライアンス監査で指摘され、改善命令が入る可能性あり。
- 障害発生時の責任問題
- 通信トラブル時に「市販HUBが悪いのか、回線が悪いのか」が特定できず、回線業者がサポートを拒否するケースも。
- 業務停止リスク
- 医療資格確認やPOSレジなどIPv6必須システムが動かず、業務停止に直結する恐れ。
- 監査での指摘

違反を避けるための解決策
- 適合認定品を利用する
- ONU直下に置けるのは JATE認定済みの機器のみ
- 例:クラウドアクセススイッチ(PS-72Jplus / 73Jplus)、クラウドアクセスゲートウェイ(iMW-5022/5023)
- 機器選定のポイント
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- JATE認定番号を必ず確認
- IPv6(IPoE対応)での安定通信を保証
- 音声優先制御・障害切り分け機能を備えた機器を選ぶ
まとめ
ONU直下に市販HUBを設置することは、技術面でも法的にもアウトです。
「知らなかった」では済まされず、監査や障害対応で大きなトラブルに発展します。
回避するためには、認定済みのクラウドアクセススイッチ/ゲートウェイを導入することが
唯一の正しい対策です。
関連情報
【技術編】 ➡「HUB分けではIPv6が使えない?原因とトラブル事例を徹底解説」
【制度編】 ➡「HUB・ルータ・UTMをONU直下に設置できる?適合認定の要件を解説」
【まとめ編】 ➡「ONU直下のHUB利用の落とし穴|正しい機器選定ガイド」


