PoEによるIP電話や無線LANアクセスポイントへの給電のメリット

PoEから給電する場合のメリットやデメリットの観点から、PoEをどのように選べばいいのか、またIP電話や無線LANアクセスポイントへ直接コンセントから電源を供給する場合の注意点などをご紹介します。

直接コンセントから電源を供給する場合のメリット・デメリット

直接コンセントから電源を供給する場合のメリットとしては、1ヵ所のコンセントで1500Wまで電源を供給することができることです。
消費電力が少ない機器であれば、1500Wまでであれば複数の機器をつなぐことができます。
また、交流電流ですので比較的ロスが少ないこともメリットとして挙げられます。

一方、給電機能がないスイッチングハブを用いる場合は、コンセントからACアダプタなどを経由して端末に電源を供給しなくてはなりません。
電源のためにケーブルが必要になるため、データ通信などのケーブルと合わせてケーブルの数が増えてしまい、配線が煩雑になってしまいます。

通信線・電源線併設による電源線ノイズなどの影響にも十分な配慮が必要となります。

PoEとは何か?PoEから給電する場合のメリット・デメリット

PoEとはイーサネット経由で給電する技術のことです。
コンセントから離れていて給電することが難しいような機器でも、PoE給電ができるスイッチやハブとLANケーブルで接続できれば給電できます。

PoE受電機能に対応したIP電話機や無線LANのアクセスポイントなどに用いることで、それぞれ機器ごとにAC電源コンセントやACアダプタを確保する必要がないことが大きなメリットになっています。

また、IP電話や無線LANのアクセスポイントなどを利用するとケーブルが増えてしまうので、電源ケーブルが必要なくなることで配線の煩わしさがなくなります。

ただし、スイッチやハブ全体で給電能力に上限があり、すべてのポートに対して同時に最大出力で送電できないことから、給電したいIP電話などの機器の消費電力に注意する必要があることがデメリットとなっています。

PoEの選び方・ポイント

PoEの購入を検討している際には、接続したい機器が受電可能かどうかを確認しましょう。
非対応の場合は加えて給電ユニットや受電ユニットが必要になります。

また、接続・給電したい機器の数に合わせてポート数をチェックしておきましょう。

さらに、PoEの給電には、データ線と電力供給線が共用であるTypeAと、10BASE-T/100BASE-TXでは使用されていない4本の銅線を利用するTypeBの2つの方式があります。

TypeAではLANの8芯ケーブルのうち、1、2、3、6番のピンを使用し、TypeBでは4、5、7、8番のピンを使用します。
給電側の機器では標準48Vで15.4Wを供給でき、受電側の機器では12.95Wを使用します。
給電側の機器は製品仕様としてどちらかのタイプを選択できますが、受電側の機器はどちらのタイプからでも受電できる仕様です。

Type BにPoE機器を接続する場合には、LANケーブルの8芯すべてが接続されている必要があり、LANケーブルのカテゴリが5クラス以上必要ですので、どのPoEにするかはLANケーブルも含めて検討することが重要になります。

オフィス用PoE