HUB分けではIPv6は使えない?原因とトラブル事例を徹底解説【技術編】
「既存のHUBをONU直下に挟んで通信を分ければコスト削減できるのでは?」
そう考える企業や工事担当者は少なくありません。しかし、実際には、HUB分け構成ではIPv6通信が利用できないケースが多発しています。特に医療機関のオンライン資格確認端末や調剤システム、POSレジなど、IPv6必須のサービスでは致命的なトラブルにつながります。
そこで、本記事では「HUB分けでIPv6が使えない理由」と「現場で起こる実害」、さらに「解決策」を詳しく解説します。
HUB分けとは?なぜ現場で使われるのか
- ONU(光回線終端装置)の直下に市販のHUBを入れ、そこからPBXやルータにLANケーブルを分岐する方式
- 機器追加が簡単、工事コストを抑えやすいため現場ではよく利用される
- しかし、「安価だが認定外のHUB」をONU直下に置くことは、法的にも技術的にもリスク大
HUB分けではIPv6が使えない技術的理由
- 市販HUBはIPv6非対応の可能性
- 一般的なHUB及びスイッチングハブはIPv6パケットを正常に通過させられないことがある
- IPv4は通るのにIPv6だけが通らない、という事例が多数報告
- パケット衝突・優先制御の欠如
- HUBはパケットを全ポートに単純転送する仕組み
- IPv6で利用する医療資格確認やVoIPでは遅延・音切れ・認証失敗が頻発
- IPv6アドレス再配布に対応できない
- IPv6はDHCP-PDやRAによるアドレス配布が必須
- HUB分け構成ではルータ間の正しい再配布ができず、アドレス取得エラーとなる

現場で発生するトラブル事例
- 医療機関:オンライン資格確認端末が「ネットワーク未接続」と表示
- 調剤薬局:レセプト端末が国保中央会のサーバに接続できない
- 小売業:POSレジの決済端末が通信エラーで利用停止
- 電話システム:VoIP通話で音切れ、FAX送受信エラー
👉 特に医療・調剤分野では「IPv6必須」のシステムが多く、HUB分けは致命的な障害原因になります。
なぜ「IPv4は動くのにIPv6は動かない」のか?
- IPv4はNATやPPPoE経由で動作するためHUB経由でもある程度通信可能
- IPv6はNATを通さずEnd to Endで動作するため、HUBでの衝突・未対応機器の影響を受けやすい
- 結果として「IPv4だけ動いているから問題ない」と誤解しやすいが、実際は裏で資格確認やクラウド接続が失敗

解決策:認定機器の導入
- JATE認定のクラウドアクセススイッチを利用
- PS-72Jplus / PS-73Jplus はONU直下設置が認められた適合認定品
- IPv6必須の医療・POS・警備システムでも安定通信を保証
- 音声優先制御・ミラーポート機能
- 通話やFAX通信を優先制御し、音切れを防止
- 障害発生時にはWAN/VOICEミラーポートで簡単に原因切り分け
- 設定レスで現場負担を軽減
- ケーブルを差し込むだけで運用開始可能
- 工事業者がルータ設定を調整しなくても導入可能
まとめ
HUB分けは一見コストを抑えられるように見えます。しかし、IPv6必須環境では通信が成立しない致命的なリスクを抱えています。特に医療・調剤・小売業界では「資格確認ができない=業務停止」に直結します。
安全かつ合法的に運用するには、ONU直下に適合認定の「クラウドアクセススイッチ(PS-72Jplus/73Jplus)」を導入することが最適解です。
関連情報
【制度編】 ➡「HUB・ルータ・UTMをONU直下に設置できる?適合認定の要件を解説」
【コンプライアンス編】 ➡「ONU直下のHUBはコンプライアンス違反?知らずに違法利用しているケースとは」
【まとめ編】 ➡「ONU直下のHUB利用の落とし穴|正しい機器選定ガイド」


